2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

マチャアキの最後っぺ

平岡正明の『人之初(ひとのはじめ)』という本を書店で見つけた。「未発表だった《自伝》が遂に陽の目を見る」と腰巻にある。これは、読まないわけにいかないな。 買って、とりあえず鈴木一誌さんの「解題」に目をとおす。ほほう、鈴木さんも平岡正明の愛読…

由良君美のつづき

平凡社ライブラリー版『椿説泰西浪漫派文学談義』が刊行された。カバー装画はブレイクの「エルサレム」。平凡社ライブラリーのシリーズにしっくりと馴染んでいる。慶賀の至り。 原本の青土社版(1972年刊)は縦長の四六変型判で、透明の合成樹脂カバーに書名…

新しき幕明き

いまから六十年余の前、林達夫はこう書いた。 「戦後五年にしてようやく我々の政治の化けの皮もはげかかって来たようであるが、例によってそれが正体をあらわしてからやっと幻滅を感じそれに食ってかかり始めた人々のあることは滑稽である。」 林達夫といえ…