2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二月は残酷きわまる月だ

先週、近親者の葬儀で北陸へ行った。ところどころに残雪があった。東京へ戻ると、北陸に劣らぬ寒波に身も凍えた。 帰宅してパソコンをひらくと、近親の青年の急病を伝えるメールが届いていた。重篤の病で、それから二週間を経た今でも意識が戻らない。いつま…

詞華集顛末記――承前

前回のつづき(もう一週間たったのね。まったくもって光陰矢の如しである)。 さて、もう十五年ほども前、いまとは別の出版社に勤めていたころのことである。わたしは前年の春から半ば自ら志願したかたちで京都の本社に転勤していた。ある日、呼ばれて社長室…