2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

もうひとつの眼球譚――藤野可織「爪と目」を読む

爪を噛むくせがある。還暦を疾うに過ぎた男が爪を噛むのはみっともない。わかってはいるが、「雀百まで」でいっこうに直らない。いつだったかもう中年をすぎた頃だったと思うが、電車の中で無意識に爪を噛んでいて隣に座っていたおじさんに注意をされたこと…

1938年の小林秀雄――山城むつみの連続する問題

図書館で月遅れの雑誌を借りる。「新潮」4月号。〈没後30年特集 2013年の小林秀雄〉のなかの一篇、山城むつみの「蘇州の空白から――小林秀雄の『戦後』」(長篇論考180枚)を読む。これも前回の「連続する問題」につらなっている。 「いつか時間を作って、小…