2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

蘆江と緑雨――『東京おぼえ帳』を読む

――ひさしぶり。 ――ほんと。三年ぶりぐらいかしら。 ――そんなになるかな。 ――だって見てよ、これ(id:qfwfq:20050828)。 ――ほんとだねえ。これはこれは。 ――で、今日は何を仕入れてきたの? ――新刊の文庫で『東京おぼえ帳』。 ――あら、可愛い本ね。平山…… ――…

本とつきあう法

* 桶谷秀昭の「含羞の文学」について以前書いたことがある(id:qfwfq:20080907)。それは中野重治全集第二十五巻の月報のために書かれた随想で、この巻には中野の映画演劇評、読書随想等が蒐められていて、中野の著作のなかでもわたしのとりわけ愛読する一書…

真実一路のひと――『蘆花日記』を読む

某月某日TBSの鴨下信一さんと会う。お会いするのは五、六年ぶりか。ふたりとも病み上がりなので、ひとしきり病気の話。鴨下さんは胃を摘出されていて、わたしは生来の下戸なので、ふたりともコップ一杯のビールをもてあます。 昨年末に鴨下さんが演出され…