2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「方言」を訳すのはむつかしい

さて、ロレンスについてもう少し書いてみよう。 『チャタレー夫人の恋人』が光文社古典新訳文庫から出た。訳者は木村政則。ところどころ拾い読みをした限りでは、読みやすい、よい訳だと思う。ただし、原文に忠実に、正確に訳されたものではない。訳者はあと…

「プロシア士官」はホモエロティシズムの小説か

3ヶ月ほど前に書いた「図書」の斎藤美奈子の連載「文庫解説を読む」*1、12月号の第5回では村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』(ハヤカワ文庫)を取り上げている。斎藤は、『ロング・グッドバイ』は『グレート・ギャツビー』を下敷きにしているという村上の…