2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アル中オサベ

えーと、どこまで話したっけ。そうそう、ヤマチューこと山崎忠昭さんがわけもわからず山川方夫の告別式に出かけた、というところまでだった。時計の針を一ヶ月捲き戻して、その続きを綴ると―― ヤマチューさんを告別式に拉し来ったのはアル中オサベこと長部日…

菊池寛の「新刊」に感歎する

岩波文庫が好調だ。赤帯でクローデル『繻子の靴』の渡辺守章新訳、ジョイス『若い芸術家の肖像』の大澤正佳新訳が相次ぎ、『アーネスト・ダウスン作品集』にロペ・デ・ベガ『オルメードの騎士』、それにプリーストリー『夜の来訪者』という渋いところをヒッ…

文体練習書評篇

いまはどこかに埋もれていてすぐには取り出せないのだけれども、丸谷才一の編著になる『ロンドンで本を読む』という本(最近文庫にもなった)の書評を書いたことがある。 その本の序文で丸谷は、かれが範とするイギリスの書評の特長を三つ挙げているのだが、…

新春文体練習の一席

寄り道をしはじめると果てしなく寄り道の快楽に耽るというのがトリストラム的性格のわるいところで、今回もつづけて寄り道の漫文を綴ることにしたい。お正月のこととてお屠蘇気分の座興と御容赦ねがいたい。 さて、レーモン・クノーに『文体練習』という本が…