2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ロンド・ア・カプリツィオ――『道化師の蝶』を読む

言語は理念の楽器である。……数学の公式を使うのと同じように言語を使うのだということが、みんなにわかってもらえるならば! ――ノヴァーリス*1 小説は言葉によって書かれる。どんな言葉で書かれるかというと、世界に存在するあらゆる言葉(言語)で書かれ(…

猫と水仕事――『小さな天体』を読み了える

『小さな天体』を読了。同時に『3. 11――死に神に突き飛ばされる』(岩波書店)を読んでいたので、日記で3月11日がだんだんと近づいてくるのがスリリングだった。3月11日以降の日記はそれまでとトーンががらりと変わっている。 日記の後半、コペンハーゲン…

デンマークの貴種流離譚――『小さな天体』を読みつぐ

前々回書いた『小さな天体』をまだ読んでいる。読み始めてひと月以上になる。理由ははっきりしている。寄り道をするからである。この本は加藤典洋さんの海外での日々の暮しが綴られている。起った出来事、会った人たち、考えたこと、そして、書いている原稿…