2015-08-02から1日間の記事一覧

ラセラスは、余りに幸福すぎたので……  悼詞・鶴見俊輔

永井龍男に「朝霧」という短篇小説がある。“短篇の名手”と称される永井龍男の小説のなかでも代表的な一篇に数えられる名篇である(昭和24年の作)。 語り手(名を「池」という)が学生時代の友人のうちを訪ね、そこで出会った友人の父親(X氏)と母親につい…