2007-08-12から1日間の記事一覧

十字架をうつしづかなる釘音きけり――塚本邦雄論序説(10)

「もともと短歌といふ定型短詩に、幻を見る以外の何の使命があらう」。この有名なマニフェストを塚本邦雄が高らかに宣したのは昭和三十九年、雑誌「短歌」に寄せたエッセイ「短歌考幻学」においてであり、それはのちに「前衛短歌のバイブル」と評される第一…