2007-06-10から1日間の記事一覧

あとかたもなくひびきやみぬる――塚本邦雄論序説(5)

「今は昔、その旗幟に「新芸術主義」を謳ひ、一部の人々に匿れた宝石のやうな、冷やかな情念の輝きを惜愛された短歌グループがあつた。昭和十五、六年をピークとして全き燃焼をとげ、戦争を境として次第にその熱と光りを喪ひ、今は行方もつまびらかにしない…